無理にしまう必要はない?後悔しないお墓の今後の選択肢

海外在住者のための墓じまいガイド①

「日本にいる親も高齢だし、実家のお墓をどうにかしなきゃ」 海外で暮らしながら、ふと日本の家族やお墓のことが頭をよぎることはありませんか?「墓じまい」をしなければと考える方もいると思います。

けれども、行政書士としてご相談を受ける中で感じるのは、「急いで墓じまいをすることだけが正解ではない」ということです。今回は、海外にお住まいだからこそ知っておきたい、お墓との向き合い方についてお話しします。

ふとしたときに気にかかる日本のお墓。実は『今すぐ墓じまい』だけが正解ではありません

「墓じまい」が注目されている理由

海外在住の方にとって、日本の実家のお墓については、毎日悩むことではないのですが、ふと「どうしようかな」「自分がどこまで関わるべきなのかな」と考える対象ではないでしょうか。

日本では人口減少社会・多死社会になり、誰が維持管理する責任者なのかわからない無縁のお墓が増え、雑草などが生い茂る、倒壊する、撤去費用が回収できないといった問題が生じています。
総務省が令和5年9月に発表した「墓地行政に関する調査 -公営墓地における無縁墳墓を中心として-」には、「家族形態の変化や価値観の多様化、都市部への人口集中など様々な要素があいまって、家族や子孫等による承継を前提としてきた祭祀をめぐる国民意識も変化」といった表現もあり、代々続いていたお墓の管理をしない、できないという変化が起きています。

そして、墓所は遠方にあり、お参りもできない、将来的に誰も世話をする人がいなくなりそう、子どもに迷惑はかけたくない、といった理由から、将来的なお墓の維持管理に手間をかけずにすみそうな「墓じまい」を気にかける人が増えているようです。

「墓じまい」をどうするかは私(50代・女性・日本在住)の身の回りでも注目する人が多いです。自分から積極的に話題にすることはなくても同年配のちょっとした集まりで誰かが「墓じまいしたんだ」というと、「どうやったの?」「いくらくらいかかった?」など質問が始まります。

海外に住んでいる方だけでなくどなたでも、実家のお墓について維持管理しているのは誰だとわかっている方と、どうなっているんだろうか、なんとかなってるんだろうなとぼんやり思っている方もいると思います。
そもそもお墓がどこにあるのかわからない、という方もいるかもしれません。

海外から無理に墓じまいを進めなくてもよい理由

かかる費用の比較をしてみる

ところで、将来的に世話をする人がいなくなりそうな場合、「墓じまい」はどうしてもしなくてはならないのでしょうか。
結論から言いますと、私の意見では「無理にしなくてもよい」です。
理由は、「墓じまい」にはそれなりに手間や費用がかかるからです。
一方、今のお墓を維持するには、お墓にもよりますが年間数千円の維持費を管理する機関にお支払いすればよいのです。
仮に年間管理費が5千円だったとしますと、10年で5万円、50年で25万円、100年で50万円です。
もちろん海外在住の方ですと、お墓に行くのには帰国のための費用がかかりますし、せっかく日本に帰国したのだから、正直なところ遠いお墓に行くよりもやらなければならないことが多い、これでは管理できないので「墓じまい」しなきゃ、という方もおられるでしょう。
しかし、宗教・宗派・墓所管理者との契約内容にもよると思われますが、毎年(あるいは何年ごとに)必ずお参りに来なさい、管理・掃除しなさい、と契約されている墓所は多くはないと思われます。
墓石が倒壊してしまったり、あまりにも周囲に迷惑をかけるような状況でない限り、修繕等の必要もありません。
また、前述のとおり実際のところ倒壊や迷惑をかける状態でも放置されているお墓は多いです。
つまり、お墓の維持管理は、あなたご自身が生きている間やその後は、墓じまいをするほどには費用がかからないかもしれないのです。
一方、「墓じまい」には費用がかかります。
現在のお墓をしまう、次のお墓等を手配する、それぞれに費用がかかります。
パターンは色々ですが、場合によっては百万円単位でかかる場合があります。あくまで例ですが、お墓をしまうに百万円、次のお墓に入れるのに五十万円というケースもあります。

あくまでも一例ですが期間と費用を図にしてみました。墓じまいにはこんなに費用かからない、とか修繕費を考えるべきなどご意見あるかと思いますので、こんなケースもあるということで見てください。

もちろんお墓の維持管理はお金だけの問題ではなく、亡くなった方を想う気持ち、親族家族の考えなどあり、単純に比較はできないと思います。
ですが、まず「墓じまいどうしよう」と悩まれたら、「本当に必要なのかな?」と考えてみることもよいのではないかと思います。

今回のまとめ:無理に「墓じまい」を急がなくていい3つの理由

維持コストを冷静に比較する

墓じまいには数十万円〜百万円単位のまとまった費用がかかります。今の管理費が数千円程度なら、無理に今すぐ大金を投じて壊すよりも、「現状維持」という選択の方が経済的な負担が少ない場合もあります。

「今すぐ」の義務や期限は意外と少ない

お墓の管理規約にもよりますが、「毎年必ずお参りに来ること」を厳格に求めている墓所は多くありません。倒壊などの危険がない限り、海外にいる間は「管理費を払い続ける」だけでも、立派にお墓を守っていることになります。

「自分はどうしたいか」を整理する時間を持つ

親戚の目や世間の流行で焦って決めてしまうと、後から「やはりお参りする場所を残しておけばよかった」と後悔することもあります。まずは「本当に今、壊す必要があるのか?」を自分自身の基準で考えてみましょう。

行政書士からのワンポイントアドバイス

「それでも、日本にいる親戚にこれ以上迷惑をかけたくない」「将来的に無縁仏になるのが不安」という場合は、少しずつ情報収集を始めるタイミングかもしれません。 焦らず、まずはご自身が納得できる形を探していきましょう。

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墓じまいについて一緒にお話ししませんか?

もしもお墓について悩みが続いて、自分亡きあと、日本に親族がいなくなり維持費を払う人がいなくなる、自分の死後に迷惑をかけたくないといったことでしたら、一緒にお考えを整理し、最適な方法をとるサポートを当事務所にて承ります。

また、ご自身の経験や今考えていることなど、ご相談ではなく、墓じまいについてのお話をきかせてください。チャットでもオンライン通話でも気の向くままにしてみませんか

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